VOICE vol.02

システムの作り手として、そして、サービス提供者として、同じ高みを目指せるパートナーです。 ソニーマーケティング株式会社

ソニー製品のマーケティングおよびセールス活動を担うソニーマーケティング株式会社(以下、ソニーマーケティング)。2009年5月、同社が提供するライフログ・シェアリングサービス「Life-X」(2013年7月サービス終了)のシステム改修にフォービスが参画して以来、堅固なパートナーシップを築かせていただいている。同社は、ネットワークサービスを展開する中で、フォービスのどのような点をご評価いただき、どのようなご期待を寄せてくださっているのか――。ネットワークサービス部・新規事業推進1課・統括課長の中村馨氏を囲んで、担当エンジニア2名が対談をさせていただいた。

パートナーシップのはじまり 想定外のことが起こるBtoCサービス。フォービスは、要件定義書などでは表しきれない大小さまざまな問題へ対応しつづけてくれた。

ソニーマーケティング株式会社
ネットワークサービス推進部 ネットワークサービス部 新規事業推進1課 統括課長 中村馨

――フォービスへの最初のご発注となったソニーマーケティング様の「Life-X」は、2008年9月に運用を開始したネットワークサービス。携帯電話で撮影した写真を、離れた場所にあるソニーの液晶テレビ「ブラビア」の画面に表示したり、位置情報をもとに地図上に写真・動画などのコンテンツをマッピングしたり、ブログなども含めたコンテンツをWEB上で一元管理する、友達同士で多くのコンテンツの共有もできる…という、ソニー製品の付加価値を高めるユニークなコミュニティサイトでした。このプロジェクトにフォービスが参画することになったきっかけは、何だったのでしょうか? ソニーマーケティング株式会社 中村馨課長(以下、中村氏)
「コストとクオリティとスピードの、パフォーマンスの高いシステムベンダーはいないかと、探していたところだったんですよ。
フォービス・濱 「懐かしいですね。最初は、ソースコードの解析から入らせていただいて、その後、要件定義の支援、新機能の追加開発、最終的には運用保守までお任せいただくようになりました。」
中村氏「当時、とにかく欲しかったのは、Life-Xを一緒になって育ててくれるパートナーでした。サービスは生きもの、特にB to Cは常に想定外のことが起こります。ユーザーは、僕らが当初もくろんでいた使い方をそのまま素直にしてくれるかというと、そうではない。写真を表示するという機能を一つとっても、サービスの活用法は千差万別です。サービス提供者としては、それがたとえ1ユーザーであっても、100万ユーザーであっても、すべてのユーザーに同じ満足度を提供しなければなりません。しかし、システムを作る側からしたら、これはまったく違う話です。もしフォービスが“定義されたことを正確に作ればいい”という普通のシステム受注者的な感覚だったら、Life-Xの運用をともに進めていくことはできませんでした。」

濱 「僕たちのミッションは、ソニーマーケティングさんのサービス上の課題と、Life-Xのシステム上の問題を、同時にクリアしなければいけないということでした。最初お話しをお聞きしたときに、これは大変なことだぞと思いました(笑)。」

株式会社フォービス 取締役 濱 俊昭

中村氏 「ですので、システムについてはアイディアレベルからともに話し合い、チームの一員としてがっぷり四つに組んでもらいました。そしてなにより、大小さまざまな問題解決にとにかくつきあいつづけてくれた。多くは、要件定義書にも載っていないことだけれど、パートナーシップを築くには重要な部分でした。フォービスは、僕らの要求にも、Life-Xを使うお客様の要求にも、非常に安定したレベルで応えてくれたと思います。」
濱 「ありがとうございます。」
――Life-Xの開発で印象的だったエピソードはありますか?
中村氏 「いろいろありましたが、特に思い出に残っているのはデータベースのエラーを解析したことですね。」
濱「ありましたね! あれは大変だった(笑)。」
中村氏「ある時期、Life-Xは、トップページを展開するスピードが遅いという問題をかかえてしまい、早急な対応を迫られました。Life-Xは画像や動画といった“お客様の思い出”を、トップページで一気に大量に見せるという演出がウリ。しかし、その表示が遅くては、どうにも話になりません。そこで徹底的に解析することにしたんです。」
濱「ところが、あらゆる手を打てども、打てども、何も解決されないという…。つらい時期でした。」
中村氏「データベースじゃないか、とか、Flashのフロントのファイル数が多すぎるんじゃないか、とか、Tomcatのパラメータが違うんじゃないか、とか、こういうキャッシュ機能を使ったらうまくいくんじゃないか、とか…。フォービスのエンジニアたちの知恵を結集し、ありとあらゆる対応を実施してもらいました。」
濱「あの時は、考えられうる限りの条件を可視化して、ここじゃない、これでもないって1つ1つ潰していきましたね。」
中村氏「そう!結果としてデータベースとストレージのスループットが原因だったと分かったのですが、この問題は、ここまで原因が絞り込めたことがとても重要でした。最終的に、データベースの基盤技術の問題であることが特定できたのは、フォービスのエンジニアみなさんのおかげです。現場のエンジニアにとってはつらい作業だっただろうと思いますね。ありとあらゆる可能性を、1つ1つ検証しているのに終わらない。そもそも、技術的に間違っているわけではないですからね。正しいことをしているのに、これ以上、何がいけないんですか?って内心は思っていたでしょう(苦笑)。でも、このシステムが求めている性能にはまったく足りないから、もっと探ってくれ、というね…。エンジニアにはヘビーなオーダーだったと思いますが、この問題を乗り越えることで、お互いに一段高みへ行けた、ブレイクスルーしたと今振り返れば思います。弊社だけでなく、フォービスにも貴重なノウハウが蓄積されたのではないでしょうか。」
濱「おっしゃる通りですね。“ここまでやってもまだ上を目指すシステムがある”ということを身をもって知ることができましたし、ソニーという会社のスピリットに共鳴できました。」
中村氏「ネットワークサービスは非常にシビアな世界で、“改善”でなく“実現”しなければ、お客様は一瞬で離れてしまいます。Life-Xは最終的に他のサービスに統合し僕たちの手から離れましたが、今後このチームなら、100万ユーザー、200万ユーザー、それ以上の、仕組みを作っていくことができる、という確信が持てた一件でした。」

まとめ

エンドユーザーの求める水準を、クライアントと一体となって実現する――。システム構築者でありながら、 サービス提供者と同じ気持ちでビジネスに取り組んできたフォービスの姿勢を、高くご評価いただきました。

さらに深まる信頼の絆 2大コミュニティサイトの実績を評価し、新規事業へ。フォービスは、大規模構築や新たなデバイスへの対応にも、期待通りのパフォーマンスを提供してくれる。

――2011年2月、デジタルカメラ「α」「NEX」のユーザーを対象としたコミュニケーションサイト「αcafe」(アルファカフェ)がオープンします。写真作品を投稿してユーザー同士が評価をしたり、コメントを付けたり、仲間が集まるサークルを作ったり、毎月のフォトコンテスト開催などを通して活発な交流が行われていますが、フォービスはどのようにこのプロジェクトに参画したのでしょうか。
中村氏「システムについてはアイディア段階から関わってもらいました。そして、現在に至るまで、開発を担っていただいています。αcafeの構築テーマは“Life-Xをベースに造る”こと、そして“Life-Xの資産を活かす”こと。Life-Xにとことんつきあい続けてくれたフォービスをなくしてプロジェクトなど考えられない、というのは、上部もまったく同じ意見でした。」
フォービス・濱 「ありがたいことです。αcafeは、短期間で構築するという課題もありましたよね。計画が立ち上がって4か月でリリースというスピード勝負のプロジェクトでした。」
フォービス 齊藤(以下、斉藤)「私は当時、一プログラマとして関わらせていただいていましたが、Life-Xの評価がαcafeにつながったということで、とても高いモチベーションで参画していました。My Sony IDへの対応やフォトギャラリー機能など技術的にコアな部分へ多く関わらせていただきました。エンジニアとしてやりがいを感じますね。」
中村氏「おかげさまで立ち上げて4年、αシリーズのお客様にも非常に満足してもらっています。独自の世界観や写真文化ができあがっていて、立ち上げてよかったと心から思っています。」
濱「Life-Xのころ“こうだったらもっとよかったよね”とか“こんなふうにできたらもっとよくなるよね”と考えていたことを、ふんだんに盛り込んだのがαcafeともいえますね。」
中村氏「そうですね。αcafeが進むにつれ、必要要件やチェックするポイントなどが、お互いにパチッと合うようになってきたのも頼もしかったです。“こういうところはちゃんとキャッシュしてね”と話を振れば、“ここは連続した処理は難しいからこう解決しておきましたよ”と返ってくる(笑)。僕たちのこだわるポイントと、この先サービスを続ける上で出てくる課題を折り込み済みの上で、次のステップを可視化してくれるから助かります。長くおつきあいしてきた成果ですね。」
――αcafeの成果が、別の事業へのオファーにもつながったとか?
濱 「そうですね。ソニーさんの電子書籍・電子コミックストア「Reader Store」(リーダーストア)の改修にお声掛けをいただきました。こちらはなんといっても、プロジェクト規模が当社では最大級のもの。多くのエンジニアが、ソニーのネットワークサービスの改修・構築に関わるということで、緊張感を持ってジョインしました。」
中村氏 「Reader Storeは僕の担当外でしたが、自信をもっておすすめしておきました(笑)。αcafeのアーキテクチャ設計を高く評価してのオファーだったと聞いています。」
――Reader Storeと並行して、TV上で動かすアプリの開発にも参画させていただくことになったそうですね。SIerにとってTVアプリの開発は、やや専門外にも思えるのですが?
濱 「そうですね。エンジニアも、“TVのアプリです”と説明すると“えっ!?”とまず戸惑います(笑)。しかし、この案件もある意味で、Life-Xの資産を活かすという発想なんです。Life-Xはあらゆるソニー製品のプラットフォームとなることを標榜していた背景から、マルチデバイス対応というのが大きなテーマでした。とりわけ、ブラビアとの連携を重視して運用が進んでいましたから、僕たちにとって、TVアプリの開発は別の土俵のようでいて、技術的にオーバーラップする部分も少なくないのです。」
斉藤 「といっても、例えばTV上で写真を斜めにする技術などは、何気なく見えてエンジニア泣かせなんですけどね(苦笑)。Play Stationのように3D環境が整っていればいいですが、同じ処理をまったくCPUパワーの違うTVで表示する必要もあったりして…。マルチデバイスと一口に言っても、ソニーさんはデバイスの種類が非常に多いので対応が大変です。」
中村氏 「TVがAndroid化して、ますますマルチデバイスが重要性を帯びています。そこでどんなネットワークの世界観を醸成するか、ソニーの多彩なデバイスをどう連動させていくか、というのが、僕たちの変わらぬミッションですね。」

まとめ

Life-X、αcafe、Reader Store、BRAVIA TVアプリ開発と、長いお付き合いを重ねてきた二社。クライアントが背負う社会的なミッションや価値を理解し、どこまでも歩みを合わせることで、表層のトレンドに流されない堅固なパートナーシップが構築されています。

フォービスの評価点 モチベーションが同じ、という安心感。未知のサービスの創造へ向けてリスクも結果も、共有してくれる存在。

――お話しをお聞きしていると、フォービスの技術的な部分はもとより、一つ一つのプロジェクトに向き合う“姿勢”を特に ご評価いただいていると感じました。
中村氏 「そうですね。もちろん、日々の着実な仕事ぶりも頼もしく感じていますよ。例えば、スピードが重要な仕事は、むやみに進めずプロジェクトを絞り込んで的確にフォーカスできるし、確実にやりきるためにリソースを超えるようなムリはしない。“これはここまでやりましょう”“ここは8割までやってお客様にまず見せましょう”“これだけでも十分にインパクトがあります”という技術提案をくれるので、僕たちはそれをふまえて、どうすれば最も効果的なサービスになるかを、サービス提供者として思考すればいいんです。」

齊藤「求められるスピードも品質も、世界のレベル。どう進めるのが効率的かつ効果的なのか、常に考えてご提案をしています。」

株式会社フォービス プロジェクトリーダー 齊藤麻依子

濱 「当社も様々なお客様とお取引きがありますが、どの企業様にもいえるように、ソニーさんにも独特の文化があります。代表的な例が、幅広いデバイス。PCとスマホとタブレットに対応するのは大前提ですが、ソニーさんはさらにTV、そのほかにも独自の端末がありますし、さらにもっと違うものを発想したい、まだ世の中にないものをつくりたいという志向の会社ですからね。システム側もそれを折り込み済みで業務を進めないといけません。」
中村氏 「ありがたいですね。」
濱 「僕は、一番最初にお話しをいただいたときのことが今も強烈なインパクトとして残っているんです。当時中村さんがいらしたインテグレーテッドビジネス推進部は、ソニーとして新しいことに取り組んでいく部署だと聞いて、非常にワクワクしました。特にLife-Xは各デバイスのネットワーク基盤となるサービスで、ソニーのあらゆる製品やサービスをネットワークでつなげるプラットフォームとなると思ってました。そんなやりがいのある仕事、絶対に一緒にやりたい!と強く思いました。案件が変わっても、この気持ちは変わっていません。」
――まだ世にない新しいものを作る、となると、当然ですがリスクも生じます。受注者として、その部分はどう考えますか?
濱 「新しい事業が成功するかどうか誰もわからない。失敗する可能性もあるということはよく理解していましたが、クライアントがベンチャースピリットで果敢に歩んでいるのだから、僕たちも同じ気持ちでやるしかないと思っていました。」
中村氏 「こちらの責任者とフォービスの代表が面接をして、お互いに長くパートナー関係を築いていけるのかどうか、しっかりとコミットしてからのスタートでしたね。ソニーは様々な革新を起こしてきた会社。パートナー企業にも、そのビジョンを共有して、スピリットに共鳴してついてきてくれることを重要視しています。」
濱 「新しいことに挑むわけですから、“ダメだった、作り直そう”という結果になることも何度もあります。そうなると現場エンジニアからは当然文句がでます(笑)。そりゃそうですよね、技術者は、自分の作ったものを壊されるのが一番つらいんです。ですが、そこは“世の中にないものをつくるという仕事の意義を考えてほしい”と、語りかけ続けています。現場のエンジニアへは常に、ソニーの看板、「S、O、N、Y」という四文字を背負う仕事なんだと語りかけながら、モチベーションを高く持ってもらっています。」
――最後に、フォービスへ今後求めることをお聞かせください。
中村氏 気づけばTVもAndroidになる時代、トレンドのソリューションは日々移りかわります。でも、僕たちはお客様にネットワーク上でのサービスを提供する部隊。お客様に伝えるべき価値や、お客様が“いい”と感じるサービスは、どんなに時代が変わっても本質的には変わらないと思っています。本質を見失わずにいることはとても難しいけれど、そのパートナーとしてのフォービス、という位置づけは、変わりません。そしてこれまで以上に、同じ方向を見てビジネスをともに歩んでほしいと思います。」

まとめ

現場のエンジニアに向けて、クライアント企業の“看板”を背負う重さを常に問いかけているフォービス。技術者として研鑽を積むだけでなく、ビジネスパートナーとして気持ちをひとつに合わせる――。チームが一体となって、高いモチベーションでプロジェクトを進めてきたことを、ご評価いただきました。

VOICE vol.02 ソニーマーケティング株式会社
〒141-0001
東京都品川区北品川5丁目11番3号
事業内容: 日本国内における、主としてソニー商品のマーケティング・セールス
および上記に付帯する諸業務

ソニーマーケティング株式会社
http://sony.jp/