VOICE vol.03

フォービスの豊かな発想力は、
我々に”気づき”を与えてくれる。
通販の今に精通し、
通販の未来を指向できるパートナーです。 株式会社千趣会様

総会員数約1,500万人のベルメゾンブランドを中心に通信販売事業を営む、株式会社千趣会様。同社のECシステム改修にフォービスが参画したのは、2012年にさかのぼる。2年の調査と検証を経て、2014年よりプロジェクトが始動したCMSソリューション『案件管理システム』は、WEB制作フローをシステム上で一元管理し、煩雑な管理業務のほとんどをサポートすることに成功した。今回は情報システム側からCMSソリューションの立ち上げに尽力された野﨑部長と、ユーザー側の立場からCMSソリューションの構築を担った阿部氏に、フォービス代表・家永がお話しを伺った。

システム導入効果 「自社ECサイトのページ制作に携わる現場の混乱を改善したい」。年間で120人月の工数を削減しつつ戦略的なクリエイティブを実現するCMS。

株式会社千趣会 販売企画本部 EC企画運営部EC戦略チーム 阿部 薫さま

――2014年夏にリリースされた『案件管理システム』は、商品ページを制作するCMSでありながら、制作に必要な素材や情報をトピックごとに一元管理する案件管理、制作者間のやりとりを時系列で正確に残すコミュニケーション管理、そして成果物の管理、という複合的な側面を持っていると伺いましたが、これまで千趣会様では、こうした一連の制作管理業務を、Excelをメインにメール中心のやりとりで行っていたということですが・・・。 株式会社千趣会 阿部氏(以下、阿部氏)
「そうですね。企画から公開までだいたい3ヵ月くらいで制作をしていくのですが、これまでは、企画 → デザインラフ → コーディング →コーディングチェックときて、まずは協力会社からページが納品されます。次に、社内の制作担当者が、納品されたものを更新担当者に渡し、チェックサーバで確認。さらに確認を繰り返して本番環境リリース…という流れでした。これら一連のフローで発生する修正などのやりとりは、これまで全てメールベースで行っており、工程ごとに様々なドキュメント(Excel等)が発生していました。」
――大量のメールの中から必要な情報を探し出すのが大変そうですね!
阿部氏 「そうなんです!制作工程にかかわる人も多く、さらに特集は何十本もパラレルに走っていくものですから、社内の制作部門は、当時とても混乱している状況でした。メールをさかのぼるだけでも大変な時間がかかってしまいますし、ドキュメントについてもどれが最新バージョンなのか、どこに何が記載されて統合されているのかなど、必要な情報を探すのに大変な苦労をしていました。」

フォービス・家永 「商品の販売ページは、大きくわけて、特集などの企画ページにあたる『静的ページ』と、システムからその都度条件に応じて自動生成される『動的ページ』で構成されます。そのうち、千趣会様で当時問題になっていたのが、静的ページ。いわゆる特集の作り込みに時間がかかりすぎている、あまりにも人がかかわり過ぎている、という声が多くあがっていました。これは、カタログの制作に長けている千趣会さんの文化に関係している事なのかもしれません。」

株式会社フォービス 代表取締役 家永 慎太郎

株式会社千趣会 野﨑氏(以下、野﨑氏) 「システム側からは、修正や更新の一つ一つの作業に情報システム部が関与するという体制をとにかく見直したかったですね。ECはよりリアルタイムに時代に対応していかねばならない販売の生命線です。もっと小回りが利く独立した存在でなければいけないと社内全体が感じていましたが、弊社の基幹システムの構造上、とくにビジネスロジックが複雑に絡むカート以降の変化対応に時間を要することが多く、一枚岩であるECシステムと基幹システムの密結合がネックとなっていました。今回のCMSの導入検討にあたっては、ECフロント部分のデザイン変更や更新作業について、どうやってスピード化を図っていくのか、精査していく必要がありました。」

株式会社千趣会 販売企画本部 EC企画運営部 野﨑 伸重さま

家永 「当時、検討段階から既に当社にもご相談いただいておりました。結局、プロジェクトのスコープが最終決定するまでには、ここから2年の時間を要しましたが、結果として事前に千趣会様のECにおける運用課題が共有できていたので、提案するにあたってとても役立ちました。逆に、千趣会様の事情を良くわかっていたからこそ、色々と提案に盛り込みたくなってしまうので、システム化の範囲を絞り込むのが一番苦労しましたね(笑)。最終的には、"こうあるべきだ"という理想論は限界まで削ぎ落として、最も現実的かつ効率的な提案ができたからこそ、当社の案を採用していただけたのだと今は思います。」
――システムのリリースから1年半が経過しましたが、どのような効果をお感じですか?
阿部氏 「私の体感値にはなりますが、制作現場における管理作業の負担は、ざっと"1/3は軽減している"と感じています。そして何より工数の削減率がすごいんです!1年で120人月の削減を実現しています!膨大な制作管理業務に追われていた社内外のスタッフが、これからは売上に直結する作業に時間を充てられるようになった・・・そういった点で、フォービス様のCMS導入は最大のミッションをクリアしたと言えると思います。」
家永「それをお聞きしてホッとしました!ひとまず第1段階はクリア!と言った感じでしょうかね。我々としては、コストダウンや工数削減はもちろんのことですが、やはり最終的には千趣会様の売上UPに貢献しないと、そのシステムの導入は成功とは言えないと考えていますので、今後もさらに尽力したいです。」
阿部氏「他にも導入メリットがまだまだありますよ。例えば、フォービス様のCMSの特徴として『テンプレート』という概念がありますが、これがスピーディかつクリエイティブな制作にかなり貢献してくれています。CMSのテンプレートというと、パターンA、パターンB、パターンCがあらかじめ用意されていて、ユーザーはそれらを選んではめていく、というものをご想像されると思います。しかし、フォービス様のテンプレートは、デザインが自由につくれます。そして、設定をあとから埋め込むことにより、作り込んだデザインが今度は新たにテンプレートとして残せることになっています。つまり、『テンプレートをデザイナーが作れるようになった』これは画期的なことなのです!」
――テンプレートを作るのは、やはり難しいものなのでしょうか?
阿部氏 「それまで弊社は、"1回1回"言うなればフルオーダーメードで特集をつくっていましたから、『テンプレートを作る』という発想そのものがありませんでした。でも今は、フォービス様のCMSのおかげで販売実績の高かったページを"売れるパターン"のひとつとしてテンプレート化しておき、それを季節ごとに展開したり、さらに発展させたりすることで、『早く作れる』だけでなく『戦略的にお客様から購入いただける』ページができるようになったのです!」
家永「当社のCMSならではの効果ですね!喜んでいただけて嬉しいです! 当社のCMSの特徴として、完成した特集にCMS上である記述をするだけで、簡単にそのページをテンプレートにする事が可能です。さらに、一つのページに静的な作りこみ部分、動的なリアルタイムの部分、そして、テンプレートを組み合わせる事もできますので、かなり自由度の高いページデザインを作成できると自負しています。」
阿部氏「テンプレートのお話でもう一つお伝えしておきたい事例がありました! ベルメゾンネットのお客様や、弊社の制作担当者にも喜んでもらえた印象深い事例なのですが、それはある人気のキャラクターの特集ページを制作した時の事です。キャラクターが好きなお客様って『キャラクター柄なら何でも好き!』と言うわけでなく、必ずお気に入りのキャラクターがいます。そこにフォービス様のCMSテンプレートの概念を利用する事で、これまでは実現できなかった、キャラクターごとの特集ページを瞬時に作れるようになったのです!」
――具体的にどのように実現したのですか?
阿部氏 「CMSで作成したテンプレートの画像番号を変えるだけで、同じデザインのページなのに、お客様によってはある特定のキャラクター画像だけを表示したり、別のキャラクター画像だけを表示する制御が簡単にできる様になりました。 結果、この特集ページは多くのPV(ページビュー)を獲得しました。 キャラクター別に商品を見せるという企画は、以前からずっとやりたかった事なのですが、これまでの制作のやり方では、膨大な作業が必要になることが目に見えていたため、誰もチャレンジしませんでした(笑)。今回、フォービス様のCMSを導入した事により、『キャラクターから商品を選ぶ』という企画が成立するようになったのは、本当にすごいことなんです!」

まとめ

大幅な制作工数の削減を実現しただけでなく、よりエンドユーザーのニーズに寄り添うページ制作も可能となったCMS。便利になるだけではない、より戦略的な制作をサポートするのが、フォービスが提唱する¨テンプレート¨の概念だ。制作担当者、社外の制作協力会社、そしてお客様。三方一両得の『案件管理システム』は、現場から高く評価されていることが伺える。

フォービスの評価点 プロトタイプアプリケーションを作成して現場ユーザーと一体感のある開発。保守業務では想定外の障害が多発するも、根気強くパートナーシップを築いていった。

――『案件管理システム』の開発・構築で、最も苦しかったのはどのあたりでしたか?
阿部氏「当社の制作担当、つまり、システムを直接使うことになるユーザーに、導入の意義を理解してもらうのが一番大変でしたね。現場はやはり、今の業務の流れを変えたくないわけです。『そのシステムを入れて本当にラクになるの?』、『むしろ仕事が増えてパンクしちゃうんじゃないの?』と、はじめは懐疑的なスタンスでした。」
家永 「WEBページの管理だけでなく、制作の工程管理にメスを入れたいと言うのが当初から千趣会様のご要望でした。工程管理を変えるというのは、つまり業務改善でもあるわけで、単純な要件定義とはちょっと異なる内容でしたね。」
阿部氏「そこで『業務ウォークスルー』と称し、現場の各担当を直接呼んで、フォービス様にも会議に参加していただきながら、実際の制作一連の流れを一緒に整理していきました。「ここではどんなアウトプットを使っていますか?」「この時に面倒に感じているところはなんですか?」と、一つ一つ丁寧に担当者の意見を抽出していきました。」
家永「あの時は、企画会議から制作現場まですべてに立ち会いましたよね。そして、担当者様からヒアリングした内容をもとに、大急ぎでプロトタイプを開発して、次の打ち合わせには持っていくという濃密なやり方をしていました。毎回、帰りの新幹線で、次回までにどんなプロトタイプを作るかメンバーと検討しながら帰ったのが、今となってはいい思い出です(笑)。」
――毎回、プロトタイプを作っていたのですか。
阿部氏 「あの時期、フォービス様は本当に大変だったと思います。でも、早い段階から"動くシステム"を見せていただけたおかげで、弊社の担当者の中に当事者意識が生まれた事は間違いないです。私も正直な所、最初のプロトタイプが出てくるまでは本当に苦しかった…。プロジェクトスタート直後は、担当者はとにかく不信感でいっぱいですから「こんな長時間の会議やって、意味はあるの? 本当にラクになるの?」と突き上げられることも多く、完全に板挟みでした(苦笑)!」
家永 「そうでしたね!我々も業務ウォークスルーの時に、担当者様と直接お話しをしましたが、はじめの頃に提案書をもとに「これからこういうシステムができますよ」とご説明をしたときは、シラ~ッという感じでした(笑)。でも、プロトタイプを目の前でご覧いただき、それこそボタンの色は赤がいいとか、位置は右がいいとか、具体的に意見を出していただくようになると、途端に目がキラキラ輝き出して『参加の姿勢』になってくださったのを今でも覚えています。」
阿部氏 「そうなんです。なにしろ自分たちの要求が、次回の打ち合わせではもう画面に反映されている。これなら『自分たちのためのシステムを作るぞ!』という意識がいやでも芽生えますよね(笑)。 この開発手法でのプロジェクト推進を、フォービス様にご提案いただいて本当に良かったと思えた瞬間でした。」
――このほかにも、フォービスの対応で印象に残ったことはありますか?
野﨑氏 「現在『案件管理システム』とは別に、ベルメゾンネットの保守にもフォービス様に加わっていただいています。いまはCMSに関わる部分がメインですが、こちらはようやく体制が整って、ここからがスタートという感じですね。システム導入時はさまざまな障害が出てしまうものですが、当社のお客様にはご迷惑をおかけしていないものの、思ったよりも障害対応が長引きましたね。」
家永 「はい、結局、次フェーズの開始が遅れてしまいました。」
野﨑氏 「フォービス様の本社は東京にありますので、当然抱えている技術者の数は大阪よりも東京の方が多い。大阪に本社がある弊社に対応していただく困難さは充分理解した上で、あえて難易度の高いリクエストを出しました。」
――保守のオファーをくださった理由はなんだったのでしょう?
野﨑氏 「いま保守をおまかせしている協力会社様は、もう20年~30年の長いお付き合いをさせていただいております。ただ、昨今の通販業界は変化が激しくなっていますので、フォービス様のような新しい協力会社様ともつながって、可能性があればそこをどんどん拡げていくことにチャレンジしたい、と。より戦略的なパートナーシップを、外部の協力会社さんとも築いていきたいのです。」
家永 「大変ありがたいことです。それだけに、はじめのうちはなかなかご期待に添うことができなくて辛かったです(苦笑)。」
――その時、現場では何が起きていたのですか?
野﨑氏 「当社が標準としている"開発のお作法"があり、当然ですがそれはフォービス様のこれまでの開発プロセスとは異なります。品質を担保するプロセスもフォービス様には違う観点でのやり方があります。その『文化の違い』を、どこでどう切り分けるかというのがはじめは難しかったですね。障害が起きたときの責任をどこが持つのかも非常に難しい問題でした。」
――そんな中、フォービスのどんな点をご評価くださったのでしょうか?
野﨑氏 「障害が発生しても、一つ一つ根気強く向き合ってくれたことと、あとは、メンバーの方のコミュニケーション力だと思います。大きな会社の方だと、やはり企業人として言えないこともあって、言葉を選ばないといけなくなりますが、フォービス様のメンバーの方は本当に裏表なく、正直に、ストレートに、物事を伝えてくださいます。その交渉力や、すぐに回答が得られるスピード感、難しい質問にも的確に回答していただける所が信頼できるポイントになりました。」
阿部氏 「私もフォービス様のメンバーの方のコミュニケーション力には本当に助けられました。ユーザー部門の担当者にヒアリングするときは、いっさい小難しいことを言わずにさあどうぞ!という姿勢で、何でもどんどん受け止めてくださるんですよ。みんなが心を許していいチームがつくれたのも、家永さんはじめフォービス様のメンバーの人柄のおかげです。」

まとめ

プロトタイプアプリケーションを使ったアジャイル式の開発で、担当者の当事者意識を促進していったフォービス。保守をめぐる障害にも実直にお応えすることで、長いおつきあいをいただける信頼の絆を構築していった。

フォービスへの期待 次の基幹システムをゼロベースから思考する。ブレーンとして、コンサルタントとして関わる中で斬新かつ現実的な「気づき」を与える存在へ。

――20年、30年先のおつきあいをイメージしてフォービスをご評価くださっていますが、今後はどのようなご期待をお寄せいただいていますか?
野﨑氏 「近い将来と、未来の話と、大きく2つあります。 まず、近い将来としては、CMSの導入効果を早く出したいですね。CMSでどう改善されたのか、社内への説明責任をフォービス様と一緒に果たしていきたいと思っています。 もう1つは、基幹システムの刷新です。現状はまだ検討段階ですが、すでに家永さんには個人的にコンサルティングとして入ってもらっていて、どういう方向性でいくべきかをゼロから思考していただいています。」
――コンサルティングを家永に?
野﨑氏 「そうですね。今後はどういうアーキテクチャがいいかとか、それははたして現実的なのかとか・・・。家永さんは肥大化・スパゲティ化しているうちのシステム事情をいろいろご存知だけど、その背景はひとまずおいといて、¨これからの通販会社の基幹システムや周辺システムのアーキテクチャはこうあるべき¨という教科書的なものを提示してもらいたいと思っています。もちろん、理想はこうだけど、実際にそれを弊社の中に落とし込んでいくには当然お考えいただかなければいけなくなりますが(笑)。いまの段階では、家永さんのすばらしい発想力で、我々に『気づき』を与えてほしいと思っています。」
家永 「光栄なことです。フォービスがこれまで取り組んできたことを、千趣会様の有識者の方々の前で発表させていただける機会も作っていただいたりして、その時もとても光栄でした。千趣会様はさまざまな専門家が揃っている層の厚い会社なので、そういう方々の前で、我々フォービスがこれまで信念を持ってやってきたこと、仕組み作りへの独自のこだわりをお伝えすることができて素直に嬉しかったです。」
野﨑氏 「普通、システムの開発のボリューム配分として、要件定義・外部設計で30、開発が40、テスト工程が30・・・、これを3:4:3だとか、2:6:2などと表現するのが一般的です。しかし、いまの千趣会の基幹システムは肥大化しているものですから、要件定義の前の事前調査で30、開発で20~30、そしてテストが40~50という、ちょっと異常な数字になってしまうのです。
とにかく開発に着手する前の影響範囲を調べるだけでも、かなりの労力をつかいます。テストの影響範囲があまりにも広すぎるため、テストデータの準備に時間を要したり、効率を求めて回帰テストのテストケースを絞りこみすぎると網羅性が失われて障害が多く出たりしてしまう。今回、フォービス様のCMSでECのフロントデザインに関わる部分については、制作現場により近いところに切り出すことはできましたが、当社全体のシステム課題はまだまだ解決されていません。」
家永 「アーキテクチャの問題で解決できそうな気がしますが、まだわかりませんね。この工程を減らしたら、とか、このドキュメントを減らしたら、という改善はもう日々やっておられるけれど、それはチューニングでしかない。抜本的な改善には至りません。」
野﨑氏 「こうした、『何年か後に大きく仕組みを変えていこう』と改善を進めていった時に、これまでフォービス様と一緒に進めてきたCMSの導入や新たな取り組みが重要な試金石になってくると思っています。今後、当社が更にECに注力していくためにも、フォービス様に期待している部分はとても大きいんですよ。」

まとめ

通販のいまに精通し、通販の未来を指向できる――。フォービスの発想力へ強いご期待をお寄せいただき、次世代の基幹システムの検討に参画させていただいている現在。千趣会が担う社会的な使命や価値を理解して吸収し、さらなる飛躍へ向けて、システム面からともに歩むことが、フォービスの次なるミッションである。

VOICE vol.03 株式会社千趣会
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事業内容: 通信販売事業、ブライダル事業、法人事業、その他事業

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