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AI ・ 第10回

細粒度サーバーレスは、AIと相性がいい — 疎結合×定義駆動が生む"AIが改善提案できる"開発体験

機能を小さく分け、完全に疎結合にすると、影響範囲が閉じるだけでなく、AIによる改善提案・試作までしやすくなる。

Vegas 開発チーム ・ 2026-07-03 ・ 読了 7分

前提小さく分け、定義で表す

通販基幹エンジンでは、機能を「単一責務の小さなサービス」に細かく分割し、単一ゲートウェイの背後に完全に疎結合で配置している。ユニット同士は直接呼び合わず、境界を越える協調はイベントに限る。さらに、多くのロジックはコードではなく定義(宣言的データ)として表現する。

「振る舞い」の多くが手続きではなく設定になる。ここが後で効いてくる。

従来の利点影響が閉じる

この構造の古典的な利点は明快だ。機能追加や改修の影響範囲が閉じるため、変更は該当ユニットの内側に留まる。結果として、限定的にテストでき、限定的にリリースできる。ひとつのユニットを差し替えても、他のユニットは何も知らないまま動き続ける。

モノリス 全体を読まないと直せない 影響範囲が広い 細粒度サービス 対象 兄弟 兄弟 兄弟 兄弟 兄弟 1ユニットだけ読めばよい
図1:読む範囲と影響範囲。モノリスは全体を読まないと直せないが、細粒度なら対象ユニットに閉じる。

本題AIが直せる構造

本題はここからだ。この構造は「AIが使える」だけでなく「AIが直せる・良くできる」設計になっている。理由は六つある。

現行の定義 v1 AIが新版を試作 v2 (未来時刻) プレビュー・検証 履歴で効果測定 切替(採用) 切戻し(棄却)
図2:安全な試作ループ。AIの改善案は新バージョンとして試作し、検証を経て切替・切戻しできる。

トレードオフ疎結合の弱点

もちろん万能ではない。疎結合の裏返しとして、いくつかの弱点が生じる。

これらは、明快なイベント設計、変更の履歴、そして定義の一覧性で補う必要がある。AIにとっても、この横断ビューが揃っているかどうかが、提案の質を左右する。

TAKEAWAY

細粒度・疎結合・定義駆動・時刻バージョニングは、AIが「使える」だけでなく「直せる・良くできる」アーキテクチャを生む。弱点は全体像・横断影響・運用複雑性であり、イベント設計と履歴と定義の一覧性で補うことで、AIによる改善提案が回り始める。